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背中合わせのメリットとデメリット

私立の中学校へ進学するメリットとデメリットは背中合わせのものです。人はそれぞれ個性があり、それぞれの価値観、考え方があります。ある生徒や保護者にとってメリットと感じることが、他方ではデメリットと感じられる場合もあるわけです。

 
「どのような中学校生活をおくっていきたいのか?」、「子供にどのような成長を望むのか、どういう大人になってほしいのか」、子供の性格や個性、家庭の教育方針・教育理念に照らしあわせ、中学受験をして、私立中学校へと進学することによっておこるさまざまな要素について判断していきましょう。

 

一貫した教育方針

公立の中学校では文部科学省の指導により全国のどこの中学校へ進学してもほぼ一貫した教育方針に従った授業を受けることができます。ここで注意が必要なのはその教育方針は時としてブレることがあるということでしょう。「ゆとり教育」の導入、その結果としての学力低下、「ゆとり教育」への批判とそれに対する見直しなど国としての教育方針が右に左に振れているのは周知のとおりです。短期間で教育方針が変更になることによって教育の現場である中学校において、教師達の間で混乱があることもいかしかたないことかもしれません。

 
私立中学校の場合は、独自の教育方針を掲げています。私立中学の場合には公立とは違って一つの会社のようなものですから教育方針は重要な商品でありサービスです。学校の格を高めていくには質の良い教育を行い続ける必要があります。そこで私立中学は長い期間にわたって一貫した教育方針をもって生徒を育てて行くことになり、公立中学校に比べ教育方針にブレが少ないのが大きな違いだといえるでしょう。

 

中高一貫のカリキュラム

私立中学の特色の一つとして中高一貫教育があげられます。私立中学校では、中高一貫教育によって、中学校3年間、高校3年間の計6年間を使って、独自の教育カリキュラムを創造することができます。

 
授業時間の配分も6年間を有効に使い合理的に展開されます。高校2年生までの5年間で中学、高校の内容を学び、残りの1年間を使って大学受験に備えた学習をすることも可能になるわけです。現在、公立の中学校は週休2日制ですが、私立の中学校の場合、土曜日も授業が行われます。授業時間も公立に比べると私立の方が多くなります。時間的なゆとりということを考えると、影響するのは学習の面ばかりではありません。公立中学校へ進学した場合に比べると高校入試もない分、スポーツもじっくりと取り組むことが可能です。

 

生徒の学力偏差について

私立中学校の場合、入学時の学力テストという方法によって入学する生徒を選抜するため生徒間の学力格差は比較的少なくなっています。入学試験は一発勝負ですので多少のずれが生じる場合もありますが、たいていはある程度の幅におさまります。

 
また私立中学校では、習熟度によるクラス分けを行うケースもあります。習熟度に応じたクラス分けは勉強を教える先生の側からすると効率良く授業が進められるという利点があります。一方、生徒の側にとっても習熟度の高い生徒はより効果的に能力を伸ばす機会が得られ、多少習熟度が低い生徒についても授業についていけずにどんどん落ちこぼれてしまう、という危険性を減らす効果があります。

 
公立中学校の場合は生徒の学力に大きなズレがあるのはいかしかたないでしょう。わかる生徒はわかるし、わからない生徒は全然わからない。教える側の先生にとっては公立中学校は非常に難しい現場であると言えるかもしれません。

 
生徒の性格にもよりますが、公立中学校で成績が上位にいる生徒はその成績を維持しようとより学習意欲が高まる場合もあります。しかしながらあまり勉強することが好きではない友人達に影響を受ける場合もあるでしょう。その一方であまり成績が良くなかった生徒がよく勉強が出来る子につられて成績が向上していくケースもあります。

 
自分をしっかり持って勉強を進めることは公立、私立を問わず重要なことです。成績が特別に良い生徒はどのような環境でも自分で学習を進めることが出来る場合が多いのであまり影響は受けないかもしれません。いずれにせよ公立中学、私立中学での学力偏差に違いがあるということについては意識しておきましょう。

 

経済的な負担

文部科学省は教育費に関する国の施策を検討・立案するための基礎資料を得るために「子どもの学習費調査」というものを平成6年度より隔年で実施しています。平成16年度の「子どもの学習費調査」の結果からみた公立中学校と私立中学校との学習費は下の表のとおりです。

<表1 公立中学校と私立中学校の学習費>

学校別 学習費総額 公私比率
公立中学校 1.405,278円 1
私立中学校 3,818,705円 2.72

<表2 公立高校と私立高校との学習費>

学校別 学習費総額 公私比率
公立高校 1.552,771円 1
私立高校 3,097,240円 1.99

中学校だけで考えると公立に比べると私立は2.72倍のお金がかかるという結果が出ています。私立中学に進学した場合は高校も私立となるので中学高校あわせた費用は6,915,945円となるということになります。中学高校とも公立の学校に進学した場合の費用をみると2.958,049円なので約2.3倍はかかる計算になります。

ここで公立の中学校へ進学したのち私立の高校へと進んだケースをみると合計で4,502,518円となります。このケースを基にして考えた場合には私立中学へ進学した場合は約1.5倍の費用がかかる計算です。

<表3 進学パターン比較>

進学パターン 学習費総額 比率
公立中→公立高 2.958,049円 1
公立中→私立校 4,502,518円 1.53
私立中→私立校 6,915,945円 2.34

結局のところ私立中学へ進学すれば公立の中学へ行って高校へ進むケースからすると最低約150万円は余計にかかることになります。この計算は平均値を基にした一例ですが、私立中学校への進学は経済的には負担が大きいことは間違いありません。

 

中学受験の真のメリット

 

中学受験は数々のメリットがあり、またデメリットもあります。中高一貫教育、整った設備、環境の下で熱意ある指導を受けることができる、そんな私立中学の魅力は十分に理解することが出来るでしょう。しかし私立中学へ入学するには小学生という幼い時期に相当量の勉強をしなくてはならないというデメリットもあります。さて、中学受験の真のメリットとは何でしょうか?
我が子がどういう人間として成長していって欲しいのか?我が子が大人として旅立つ社会はどういう社会であって欲しいのか?子供達の未来の創造へ保護者としてはどう携わって行きたいのか?

 
中学受験を体験すると、親として考えなくてはいけないことがたくさんあることに気がつきます。子供の成績が上がらず悩んだりすることも多いでしょう。夫もしくは妻の受験に対する取り組みに不満を持ったりすることもあるかも知れません。夫婦間で会話が多くなったり、子供との会話も増えたりするという良い結果をもたらす場合もあるでしょう。

 

 

家族として一丸となって中学受験と取り組めば、もし受験の結果が望ましい結果にならなかったとしても、親としてすべきであった行動、意識、子供に対する接し方、社会との関わり方などさまざまな反省点に気がつくことでしょう。中学受験で子育てが終わるわけではありません。中学受験を通して経験したことは、その後の中学校、高校での生活にとっても大いに役に立つのは間違いありません。

 
中学受験は決して楽な道のりではありません。しかし家族一体となって苦労した先には必ず大きな成果があります。たとえすぐに結果が出なくても中学受験を経験すれば、親も子も意識が変わるものです。受験を通して家族の絆やより良い社会の創造への気持ちが高まること。これが中学受験の真のメリットではないでしょうか。

 

 

 

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